いまの時代、
ファッションに限らず、
あらゆる表現が少し騒がしい。
強い主張。
分かりやすいキャラクター。
極端で、記号的なメッセージ。
それらは確かに、
目に留まりやすい。
アルゴリズムとも相性がいい。
だからこそ、
タイムラインには
似たような「強さ」が溢れている。
一方で、
そのどれにも強く寄らないスタンスは、
とても目立ちにくい。
主張しすぎない。
キャラを作りすぎない。
分かりやすく振り切らない。
ちょうどいい場所に立つこと。
実はそれが、
いま一番難しい選択なのかもしれない。
中間に立つというのは、
曖昧であることではない。
誤解されがちだが、
「中間に立つ」というのは、
妥協でも、優柔不断でもない。
右と左のどちらにも寄らず、
両方を知ったうえで、
あえてそこに留まるという態度。
それはむしろ、
判断を放棄しない人の立ち位置だ。
ラクだけど、だらしなくない。
カジュアルだけど、雑じゃない。
気取らないけれど、無関心ではない。
STANCLANは、この中間に漂う、
気楽で、少し曖昧な空気を大切にしている。
重要なのは、
「ちょうどいい」を理由に
基準を下げないこと。
気軽であることと、
適当であることは違う。
シンプルであることと、
何も考えていないことも違う。
力を抜くことと、
手を抜くことは、
まったく別だ。
静かで、控えめで、
一見すると普通に見える。
でも、近づくと分かる。
サイズ感。
素材。
佇まい。
そこには、
ちゃんとした基準を持つ。

この姿勢は、
大勢に届くものではないかもしれない。
むしろ、
多くの人は気付かずに通り過ぎる。
でも、
日々の生活の中で
「ちょうどいい」を探してきた人には、
不思議と、しっくりくる。
STANCLANが目指しているのは、派手な主張でも、分かりやすいキャラクターでもない。
あえて中間に立つ。
でも、基準は下げない。
気軽なのに
どこか上品に見える。
この「中間の美意識」を軸にしながら、
プロダクトを形にしている。



